フリーウェイト・マシントレーニング、そのトレーニング効果

トレーニング

フリーウェイトとマシン

バーベルとダンベル、そして便利なマシン

写真提供:Anastase Maragos

最近は便利なマシンがいっぱいある。
そして、最近の流行りのジムは、新しいマシンを入れると、バーベル用のラックやダンベルを使うスペースを少なくしてしまう。

マシンはフリーウェイトのトレーニング効果を代替えできるとでも思っているジムの経営サイドのトレーニングの実際を無視したジム経営は嘆かわしいものがある。

小生のような古いトレーニーはまず、バーベルやダンベル種目ありきで、その次に補助としてマシンのトレーニングがあるというトレーニングに対する姿勢は変わらない。

ここで、それぞれのトレーニングについて利点や欠点を上げ、その特徴を紹介したい。

フリーウェイトトレーニング

写真提供:Luis Reyes

今でも、できる限り、その日の初めのトレーニングはもちろん、バーベルかダンベル種目である。

小生が考えるバーベルやダンベルによるトレーニングの利点はいろいろあると思うが、あえて挙げるとすすると、以下のようになると思う。

フリーウェイトの長所
  • 基本的に両手や肩に担ぐバーベル種目はフリーウェイながら、その安定感で高重量が扱える。
  • 両手で扱うダンベルはその不安定さから主導筋だけでなく、主導筋に荷重を働きかけるまでの筋肉を同時に鍛えることができる。
  • フォームの重要性を学ぶことができ、重量に対して恐怖感がなくなる。

この中でも筋肉の成長という目的をターゲットにするならば、最も重要な重量を扱えるという効果において、フリーウェイトトレーニングは重要になってくる。

しかし反面、以下のような欠点もあるのは事実で、その欠点に対して、

フリーウェイトの欠点
  • フォームが安定しないので、フォームが正しくないと狙った筋肉に効かない
  • ウェイトを逃がすと関節に負担をかけてしまうことがある
  • 怪我をする恐れがある

このようにフリーウェイトによるトレーニングは、フォームの重要性が最も大事なキーになる。

しかし、フォームが正しければその効果は大きく期待できる。

フリーウェイトトレーニングで効果の上がるトレーニング方法

フリーウェイトは基本的にウェイトが重力によって、その重量が筋肉に働く。

つまり、必ず、重量は垂直に荷重が筋肉に掛かることになるので、その点を理解し、フリーウェイトを扱わなければならない。

そして、基本的にフリーウェイトは、

  • フリーウェイトによる旋回運動
  • フリーウェイトによるリフティング運動

と大きく分けてこの2つがある、そして、そのトレーニング種目としては、

旋回運動
  • 胸:ダンベルフライ
  • 肩:ダンベルラテラルレイズ
  • 二頭:バーベルカール、ダンベルカール
  • 三頭:フレンチプレス
  • 広背:バーベルロウ、ワンハンドダンベルロウ
リフティング運動
  • 肩:ミリタリープレス
  • 肩:ダンベルプレス、シーデッドダンベルプレス
  • 脚:スクワット、フロントスクワット
  • 胸:ベンチプレス、ダンベルプレス
  • 全身:クリーン&ジャーク

と分けられると思う。

しかしながら、リフティング種目としても補助で働く、例えば、肩などは旋回運動をしているので、厳密にはこの2つに分けられるものではない。

ゆえに、基本的には旋回運動をしたとしても、そのモーメントアームの長さによって、負荷の感じ方が違うということを理解の上、トレーニングしなければならない。

フリーウェイトでの旋回運動

フリーウェイトの旋回運動は基本的にウェイトが力点、関節は支点で、その支点を中心に力点を旋回させるために筋肉が作用する運動である。

写真提供:Anastase Maragos

ただ、回転運動であるがどちらかというと旋回による遠心力に対する力というより、旋回に対しての重力の垂直方向に荷重がかかるので、回転している間に負荷が変わる。

このことは筋肉が力を発揮する箇所も旋回の部分部分で違う事を意味するので、その点は最も要注意しなければならない重要な点である。

ということは、重量を旋回させるため、その一番モーメントアームが長い時点で、どう負荷を筋肉に効かすかが基本的にポイントになってくる。

そして、このフリーウェイトによる、旋回運動が一番、フリーウェイトでの怪我の原因になる。

フリーウェイトによる旋回運動で、怪我を避けるために、一番気をつけなければいけない点は、

旋回運動出の注意点!!
  • ウェイトの始点と終点で、どうウェイトが筋肉に働いているか?(リラックスと一番の収縮点として)
  • 旋回する関節に不自然な荷重が掛かっていないか?(例えば、カールで終点(二頭が最も収縮している時)にその終点を超えたポイントに重力が掛かっていないか?)
  • モーメントアームが一番長いときに主導筋以外の部位に対する負荷が強すぎないか?(ラテラルレイズで肘に対する過負担)

旋回運動で気を付ける点
  • 旋回運動の始点と終点は必ず、関節に負荷のないポジションにする。
  • 旋回に関しては単関節で旋回するのではなく、補助のアクションを一緒に行う(肩の旋回は複雑なので、肩甲骨の旋回や前後運動を加える)。
  • モーメントアームが長い場合は肘を曲げる、少し旋回させる等の工夫をして、アームに対する負荷を和らげる。

フリーウェイトでのリフティング運動

フリーウェイトをリフティング(スクワットもこの部類に入る)するような場合は、いかにウェイトが一番効率の良い短い直線軌道で挙げれるか?を考える必要がある。

つまり、リフティング運動は高重量を効率よく、最短距離で挙げる事を一番の目的とし、その荷重を基本的に多関節、もしくは全身で体感することになり、様々な筋肉を同時に鍛えることができる。

この最短距離でのリフティング運動というのは、逆に言うと最も効率化をするという意味なので、このことは最も正しいフォームを取らなければいけないという意味にもなる。

ゆえにリフティング運動はウェイトトレーニングにおいて最も基本的な種目と言える。

しかし、最近はこのリフティング運動をしないトレーニーが多いのは大変残念としか言えない。

リフティング運動の注意点
  • リフティング軌道の直線化、重力方向に対しての直線化
  • リフティングする作用筋肉までの関節(肘、手首、膝等)に荷重が逃げる事のないような角度を保つ。
  • スクワットの場合、腹圧を保つための背筋の保護、尾てい骨の返りを避ける
  • スティッキングポイント(作用筋の最大筋力発生ポイント)の把握
リフティング運動で気を付ける点
  • とにかく正しいフォームの習得、どうやったら最短距離でリフティングできるか、何度も練習する、無荷重でのフォーム練習も重要。
  • ベンチプレス等の上半身運動の際は、関節がリフティング時に重力に対して向きにズレがないように気を付ける、スクワット時には膝の動きにブレが出ない様に軌道をまっすぐに保つ。
  • スクワットの場合、尾てい骨がしゃがんだ時に返ってしまうと腹圧が逃げる恐れがあるので、その手前でリフティングを行う。
  • リフティングベルト使用
  • ウォームアップ等の段階で、どこがスティッキングポイントか把握し、その対策(ストッパー、フォームの工夫等)を行う。

マシントレーニング

マシントレーニングの長所と欠点

マシンの長所
  • 安全に使える
  • 主導筋にダイレクトに効く
マシンの欠点
  • 主導筋以外の筋肉の参画が少ない
  • マシンに機差があり、ジムが変わった時など感覚が違う

小生も決して、マシンの有効性を否定するのではないし、最近は様々な理由で、背中の種目はマシン種目から始めたりしているが、やはり、できれば、背中の種目もデッドリフトやバーベルのベント・ロウから始めたい。

写真提供:FitNish Media

そして、小生の考える、マシンに対しての課題としては、機差があることで、マシンはてこやプーリーの原理を使っている構造上、力点・支点・作用点の違いからメーカーやその特徴によって、さまざまマシンがあり、その違いはジムが変わったりした際、トレーニングの充実度に大きく差ができる。

つまり、どう扱ってもほぼ変わりのないバーベルやダンベル種目をきちんとマスターしているオールドトレーニーは、ジムが変わって、マシンの形式が変わったりしたとしても、トレーニングの質に差はなく、どこでも充実したトレーニングができる。

ただ、マシントレーニングであってもフォームは重要であって、そういうフォームの基本はフリーウェイトトレーニングを行うことによって、自然に身に付き、フリーウェイトで学んだ正しいフォームであればマシントレーニングにおいても効果を期待できる。

そして、マシントレーニングにおいても、旋回運動とリフティングという運動の違いはフリーウェイトと同じである。

マシントレーニングの注意点
  • 基本的な構造は荷重をケーブルや”てこ”の荷重の方向性を作用する方向に変換するので、構造やその変換するプーリーやカムの形をよく理解しなければいけない。
  • プーリーが2つの場合、荷重は半減されるが、可動範囲は2倍になるので、その分、扱いやすくなる。
  • ケーブル系のマシンの場合、その作用点側の筋肉の働く方向とケーブルの負荷の方向が大きく違うと効果が減少する。
  • カムやてこのアームの相違によって、マシンで全く違う重量しか使えない場合もあるので、その器差を良く把握する。

効果的なマシントレーニング
  • 基本的には、フリーウェイトトレーニングのマシン化なので、フリーウェイトトレーニングで習熟したフォームで実施するように努力する。
  • マシントレーニングは軌道が安全なので、できれば正しいフォーム(チーティング等)を使わず、筋肉を追い込む。
  • 回数や重量の変更が容易なので、ディッセンティングセットなどでオールアウトまで追い込む。

フリーウェイトトレーニングとマシントレーニング

そこでやはり初心者・中級者のトレーニーの皆さんに、フリーウェイトトレーニングとマシントレーニングの実際として勧めたいのは、

初心者・中級者のトレーニング
  1. フリーウェイトのリフティング運動を中心とした基礎的な種目のトレーニングをトレーニング開始後のフレッシュな時に行い、できるだけ高重量にチャレンジする。
  2. フリーウェイトの旋回運動を中心としたダンベル運動で補助種目を行い、トレーニングに幅を広げる。
  3. マシントレーニングによってオールアウトするまで、トレーニングを追い込む。

もちろん、上級者のトレーニーの皆さんには小生がアドバイスするような立場にはないので、皆さんのプログラムを信じてトレーニングしてください。

下にフリーウェイトのお勧めの種目を紹介します。

またその下にはフリーウェイトの基礎種目と組み合わせると良い補助種目もしくはマシン種目を紹介します。

フリーウェイトのお勧めの基礎種目
  • バーベルベンチプレス
  • デッド・リフト
  • スクワット
  • バーベル・ベントロウ
  • スタンディング・プレス
  • シーデッド・ダンベルプレス
  • バーベル・カール
  • ツーハンド・シーデットフレンチプレス
  • チンニング
  • 等々
フリーウェイトの補助種目
  • ダンベルフライ
  • ダンベルラテラル・レイズ
  • レッグ・ランジ
  • ワンハンドダンベル・ロウ
  • ダンベル・プリチャーカール
  • ダンベル・キックバック
  • バーベル・ダンベル・プルオーバー
  • バーベル・ダンベルアップライトロウ
  • シシースクワット
  • 等々
お勧めのフリーウェイトとのスーパーセット
  • ベンチプレスとダンベルベンチプレス:この組み合わせは最もシンプルな組み合わせ。
  • ベンチプレスとダンベルフライ:主導筋である胸に効かすために効率的
  • ショルダープレスとラテラルレイズ:主導筋の三角筋を追い込むには効果的
  • バーベルカールとプリチャーカール:上腕2頭筋を多角的に鍛える
  • ベンチプレスとチンニング:大型拮抗筋を効率的に鍛える
  • 等々、さまざまなスーパーセットがあるので、自ら何をターゲットとするか考え、組み合わせを考える。

ジムにはさまざまな器具があります、正しいフォーム、適切な重量、回数を行えば、必ず、筋肉は発達します。

下に自分の基本的な1日のトレーニング種目の組み立て方を紹介します。

お勧めのトレーニング種目の組み立て方
  1. バーベル、ダンベルによる基礎種目での徹底したトレーニング
  2. ダンベルや基本種目のできるマシンでのメインの種目後に再度、高い負荷でのトレーニング
  3. マシン・ダンベル等でのディセッティングセットやスーパーセットを用いて、筋肉を追い込む

このトレーニングに対する組み立てには理由がある、しかし、その理由についてはまたの機会に紹介したい。

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